2012年7月27日金曜日

中国共産党スパイが民主党の容認で国会内にウジャウジャ

野田首相ほか民主党幹部を輩出した松下政経塾が入り口にされ……

赤いスパイへの警戒感覚ゼロの野田民主党政権を中国への機密情報「筒抜け政権」と命名する


SAPIO 2012年7月18日号掲載) 2012年7月26日(木)配信

今年6月、警視庁が摘発した李春光・中国大使館一等書記官事件。表向きの理由は「公正証書原本不実記載等」の容疑だが、「中国人スパイ事件の象徴」として注目を浴びた。とりわけ、現政権の民主党と「中国人スパイ」とのつながりに国民は驚きを隠せなかった。しかし、問題はこれだけではない。両者のつながりは、もっと深いところから発生している。ジャーナリスト・山村明義氏がレポートする。
「今回の中国人スパイ事件は、民主党政権の中に相当根深い病巣がある。警視庁内部でも“もし可能なら、10人以上の国会議員を事情聴取したい”という話もあったようだ」
外事公安警察関係者がこう明かす。
彼らの捜査で鳩山・菅・野田と3代続いた民主党政権の約2年10か月間、日本国内の「中国人スパイ」たちが、政権内部を驚くほど広範囲に蝕んでいたことが明らかにされた。
実際に、中国大使館経済部に所属していた李春光容疑者と何らかの形で交際していた民主党の国会議員は数多い。
現時点で判明しているだけでも鹿野道彦前農林水産大臣、筒井信隆前農林水産副大臣など中国と直接取引のある企業に近い農水族議員の他に、本多平直現首相補佐官、森岡洋一郎衆院議員ら松下政経塾出身議員。
菅直人内閣時には官房長官を務めた枝野幸男経済産業大臣は、「李氏とは、秘書である妹を含めた事務所ぐるみの付き合い」(外事警察関係者)とされ、日本の首相官邸の奥深くまで侵食していたことが発覚。「判明しているだけでも、少なくとも李と懇意の国会議員は10人を超え、全体では約50人に迫るのでは」という説もある。
とりわけ「政界の登竜門」と呼ばれる松下政経塾OBには衝撃を与えた。事件発覚直前に中国へ帰国した李容疑者は、政経塾20期の海外インターンとして1999年に入塾していたからだ。創立者の松下幸之助の声が絶対的な影響を与える松下政経塾では、「これからはアジアの時代だ」という理念により、93年の宮田義二塾長時代から代々、中国社会科学院の推薦でインターンを受け入れるようになった。 91年、松下政経塾は中国社会科学院日本研究所との間で「友好交流と研究・活動協力に関する議定書」を結んだ。そして93年9月、北京で行なわれた2回目のシンポジウム「国際新秩序の中の日中関係」に、松下政経塾側は当時の塾生を含む44名の派遣団を送っている。

政経塾関係者の意見を総合すると、90年代後半から2000年代の前半にかけ、「政経塾全体の雰囲気が、次第に親中的になった」という。中国人の研修は約半年間で、過去19人の同院出身の中国人卒塾生が巣立っている。

「通常松下政経塾の海外インターンには、履歴書を出させるだけで、その身元を調べることはない。日本の地方自治や住民投票を熱心に研究していたというし、彼がスパイとは思えなかった。彼が総参謀2部出身とは知りませんでした」と同塾出身者は明かす。

ところが、中国人民解放軍出身のジャーナリスト・鳴霞氏は、こう指摘する。

「今の中国社会科学院には、スパイを全世界に送る中国人民解放軍総参謀部出身の人間が間違いなく入っています。その身元調査すらしない松下政経塾には、そういう危機意識がないように映ります」

現在の民主党政権は、野田佳彦首相を始め、玄葉光一郎外務大臣、松原仁国家公安委員長、前原誠司政調会長ら松下政経塾出身者が政府と民主党の要職を占める。さらに現在の駐日中国大使館の公使・韓志強も松下政経塾海外インターン出身である。唐家●(●=王へんに旋)元外相の秘書官を務めた彼が昨年7月に就任した際には、中国側の「松下政経塾シフト」と呼ばれたものだ。

別の外事公安関係者はこう断じる。

「李は、政治や外交の世界では“ペルソナ・ノングラータ(素行の悪い外交官)”であってスパイじゃない、と指摘されるが、軍の総参謀2部出身の彼は、役回りとしてはいわば表のプレイヤーで、裏のプレイヤーは他にいる。松下政経塾は、その表のプレイヤーを育成する温床となっていたわけだ」

民主党議員には、身元調査で誰が「表」で、誰が「裏」のスパイかも把握できない。事実、彼ら自身からも「民主党議員と接する中国人の数が多すぎ、今では正直、スパイを警戒する感覚すらない」という声さえ漏れるほどだ。

“人材不足”を理由に
素性不詳の中国人を秘書に


あまりにも無防備な事態に、日本に詳しい中国共産党のある幹部はこう嘯くのだ。

「今の民主党政権は、国家情報の危機管理意識が皆無に等しい。我々が日本人に近づき、日本の重要な情報を握ることはもはや難しいことではなく、裏の偽装すらする必要もない」

例えば、人民解放軍総参謀部から派遣された中国大使館の駐在武官が、普通の「外交官」として首相官邸の中に白昼堂々と出入りする。あるいは、国会議員の中国出張時に、「スパイ行為」が疑われる中国共産党員を随行員に起用したり、党の“人材不足”を理由に、国会議員の秘書として素性不詳の中国人に名刺を持たせ、日本の重要な情報に接することの出来る地位につけるなどの行為は日常茶飯事。その脇の甘さは、中国への機密情報の「筒抜け政権」と呼んでも良い状況にある。

現実に昨年7月から11月にかけて、同じ東京・永田町の衆参の議員会館で、中国国内からと思われる国会議員のメールがウイルスに感染し、外国へ情報が送られたとされる「サイバーテロ事件」が起きた。にもかかわらず、議員会館では、最近こんな出来事が起きていたという。

「民主党政権誕生後に開館した議員会館では、実は民主党の“事業仕分け”と同様の理由でコストを下げるために入札制度で、民間会社にビルのメンテナンスや清掃を任せている。人の往来が少ない早朝、秘書がちょっと部屋を出た隙に清掃員がこっそりと国会議員の機密書類を見ていたことがあった、というのです。議員会館側は清掃員の身元確認はしないので、中国人が紛れ込んでもわかりません」(民主党議員秘書)

他にも「基本的に通行証の必要な議員会館地下の議員ポストに中国人が手紙やビラを直接投函している」など、類似のケースを耳にすることは後を絶たない。

このように「中国人スパイ」側から見ると「隙だらけ」の民主党政権の機密情報。外部からネット経由で侵入出来ると同時に、議員会館の事務所にも直接人が潜り込み、情報が盗まれているというのだから、インテリジェンス的には背筋が寒くなるような話だ。
日本に滞在する中国系メディアに対する彼らの警戒感も薄い。例えば中国共産党直轄下に置かれる人民日報社は、日本に記者を常駐させるだけでなく、「人民日報 海外版日本月刊」という月刊誌を発行。取材のため、民主党議員と頻繁に接触している。

ある自民党ベテラン議員秘書はこう語る。

「『人民日報日本月刊』という雑誌では、“親中派”と呼ばれる日本の民主党議員を登場させ、過去には江田五月元法相らが表紙とインタビューで掲載されている。同誌編集長は始終国会議員会館に来ては、情報収集をしています。かつて自民党政権時代にも親中派はいましたが、国会議員が会う中国人の身元は、すべて外事公安警察を通じてしっかりと調べていた。現政権では、その基本の調査すらしない。少なくとも、今のように堂々と、永田町の中枢に入るという事態は自民党政権時代にはあり得なかったことです」

つまり、「中国人スパイ」たちは、情報の危機管理の壁がまったく存在しない日本政治中枢の永田町を、大手を振って闊歩していたのだ。「スパイ防止法」など彼らから身を守る術を持たず、「スパイ天国」と呼ばれた日本は、文字通りスパイたちが猖獗を極める状態になっている。

古今東西、その国の国会議員の国家・国益への危機意識の低さは、インテリジェンス面での危機管理の甘さと正比例する。民主党政権が今回の事件を契機に、真摯に問題点を反省せず、その対策を怠れば、再び「第2、第3の中国人スパイ」が、日本に姿を現わすことは間違いないだろう。

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